強制執行のための執行文付与について

執行文とは

執行文とは、債務名義に強制執行を行うことができる効力（執行力）があることを公に証明する文書のことをいいます。公正証書とは別なものです。また、「執行文の付与」とは、公証人が強制執行することができるという証明を与えるということです。

債務名義だけでは、現時点での執行力は不明ですが、執行文の付与を行うことで『今現在、強制執行が可能な状況です』と証明してくれることになるんです。

内容は以下のようなものです。

強制執行は、債務名義があるだけでは強制執行されません。執行文の付与された債務名義の正本に基づいて実施されることになります。執行文は、有効な債務名義があるということを意味しており、債務名義入手後、執行の申立てをするまでの間に執行文の付与を受けなければいけません。

執行文付与の手続きはどうすればいいのかしら？

執行文付与の手続きについて

執行文の付与の手続きは、執行証書とそれ以外の債務名義で区別されます。執行証書については、その原本を保管する公証人が執行文を付与します。それ以外の債務名義については、事件記録の存在する裁判所書記官が執行文を付与します。

執行文付与の要件が満たされていると判断されたときは、「債権者が債務者に対しその債務名義により強制執行をすることができる」旨を債務名義の正本の末尾に付記する方法で執行文の付与が行われます。

執行文付与の申請に必要な書類

・執行文付与申請書

・確定証明書（判決が債務名義の場合）

・送達申請

・送達証明書の発行申請

執行文付与申請書

執行文を付与してもらうための申立書

確定証明書

判決が債務名義の場合は、判決が確定している証明書

送達申請

相手方に債務名義や執行文を送達してもらう手続き

送達証明書の発行申請

相手方に債務名義が届いたことの証明書